特別養護老人ホーム(特養)と有料老人ホームの違い

「特別養護老人ホーム(特養)」と「有料老人ホーム」、どちらも高齢者の方の介護施設という部分では同じですが、入居するならどちらが良いのか悩まれる方が多いようです。その特徴と違いについてご紹介します。

特別養護老人ホームとは?

「特別養護老人ホーム」は、介護老人福祉施設とも呼ばれ、社会福祉法人や地方自治体が運営する公的な施設です。まずは、この「特養」と呼ばれる施設をお探しになる方も少なくありませんが、誰でもすぐに入居できるわけではありません。

ご入居の対象となる方は、65歳以上で要介護1~5の認定を受け、常に介護が必要な状態で自宅での介護が困難な方ですので、寝たきりや認知症など比較的重度の方、緊急性の高い方の入居が優先となります。そのため、入居待ちの方が非常に多く、全国の入居待機者数は約40万人とも言われています。入居までに早くて数ヶ月、長い場合だと10年ほどかかることもあります。

また、「特養」の特徴として、公的な施設のため低料金で利用できますが、個室ではなく相部屋になることが多く、民間の老人ホームほどサービスが充実していない面もあります。

有料老人ホームとは?

「有料老人ホーム」は、主に民間の企業によって運営されており、介護付・住宅型・健康型の3つのタイプがあります。

ご入居の対象となる方はホームによって異なりますが、概ね65歳以上で、自立の方から要支援、要介護の方まで幅広く入居することができます(「健康型」を除く)。また、空室があればすぐに入居することもできます。

日々の生活を快適に過ごせるようにサービスが配慮されており、居室は基本的に個室となり、プライバシーが守られています。設備が充実しているホームが多く、レストランやシアタールームなどホテルのような快適性を持つホームもあります。最近では入居金0円や月額利用料が安価なホーム、医療ケアが充実しているホームなど様々なニーズに対応しているところも増えています。

「有料老人ホーム」と「特別養護老人ホーム」の特徴と比較

有料老人ホーム
(介護付・住宅型・健康型)
特別養護老人ホーム
運営主体 主に民間企業 地方公共団体・社会福祉法人
目的 介護や食事などのサービスを受けながら生活をする施設 介護をするための施設
入居対象 概ね65歳以上の方で、自立の方から要支援・要介護の方まで可能 65歳以上の要介護(要介護1以上)の方
空室状況 ホームに空室があれば入居が可能 寝たきりなど重度の人や緊急性の高い人から入居となるため、入居までに数ヶ月~10年近くかかる場合もあり、入居待機者は約40万人
費用の目安 月額約15~20万円 月額約5~15万円
建物・居室 新築のホームが多く、基本的には個室 築年数が長いホームが多く、相部屋が多い
医療ケア 最近では24時間看護職員の配置や、クリニック併設のホームもあり、サービスの種類が豊富 医療サービスは限定されており、夜間の医療対応や常時医療対応が必要な方などは対応が難しい。

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